これがトーションバーバルブスプリング

カムが①を押し、⑤の反作用を受けながらバルブを押し下げるというもの。トーションバーというのは③のこと。この軸がねじられることで弾性力が発生するというもの。要は金属のねじり弾性領域をうまく利用したスプリングということだ。なかなかすごいものだ。

 

②は、カムフォロアーという部品で、偏心しているのでこれを回転させることでバルブクリアランスを調整できるのだ。エンジンのシリンダーヘッド側面に顔を出しているマイナスネジはこの、カムフォロアーの端っこだったということ。なるほど~。

 

このエンジンのシリンダーヘッドが、他のDOHCエンジンと異なる造形になっている理由がようやくわかった。カムシャフト以外に、カムフォロアーとトーションバーが各バルブ毎に配置されているのだ。このトーションバー。固有振動数がバネより大きいということで、高回転時のサージング(共振現象)が無くなる、とサービスマニュアルにはある。当時最新のメカだったのかな?でもその後、再び普通のスプリング方式に戻ったのは、スプリング素材や製法の進化によるものか?40年も前のバイクだけど、改めてホンダのチャレンジスピリッツに触れたような気がした。

 

このDOHCエンジン。なんとカムチェーンのカシメを外しさないと分解できない構造のようだ。更に組み上げるときに、ジョイント部は新品にすることとある。なんとまあ手のかかること・・・。

 

 

プランジャー式オイルポンプ

③がピストン運動してオイルを圧送しているという。面白い構造だ。トコロイド以外のオイルポンプは初めて見た。このエンジン、なかなか面白い。

 

カムチェーンテンショナー

7個のガイドローラーとは、また大そうな。これほどの機構が本当に必要だったのだろうか。それにしても、重装備。こういうところのゴム部品、ちょっと経年硬化が心配。

 

 

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コメント: 8
  • #1

    姫路の松居 (日曜日, 16 12月 2012 19:26)

    やっぱりカムチェーンは切らないとダメですか?、なんとも恐ろしいエンジンですね
    サイズも小さいし確か専用のカシメ器が必要だと聞いたこと有ります
    なんか厚みが有ると入らないとか?あやふやな情報です
    確かクランクケース上下割なのでヘッド付けたままミッションメンテしてる画像見たことあります
    当時だとホンダ以外ではなかなかメンテできなかったでしょうね

  • #2

    CB750FA (日曜日, 16 12月 2012 21:00)

    トーションバーシステムを1回生の時に知り、これはすごいメカだと感動しそれからずーっと車もバイクもホンダです。ばらしてみたい衝動に駆られます(笑い)

  • #3

    まつ (月曜日, 17 12月 2012 12:32)

    姫路の松居さん

    専用のカシメ器?! 
    こりゃ、大ごとだ。自作するしかないですね?!
    ミッションメンテの画像、興味ありです。ネットで探してみよう。

  • #4

    まつ (月曜日, 17 12月 2012 12:34)

    CB750FAさん

    おっと、既にご存知でしたか!さすが。
    バラシてみたい衝動・・・、了解しました。一度バルブの摺り合わせとかやってみたいですね。ぜひバラシて下さい(笑)

  • #5

    姫路の松居 (月曜日, 17 12月 2012 21:18)

    荒業ですが香川県の方がやられています、この方は一度お会いしたことあります、

    どうも高知の大先輩が指南したみたいです、古い人にはメジャーなバイクなので

    高知の大先輩にまたお会いする事も有るので聞いてみます、世間は狭いです

    http://blog.goo.ne.jp/rushingbull/c/3f9ae5d22c2350a01f2e9b533537eaa7/3

  • #6

    えび (土曜日, 22 12月 2012 19:59)

    シビックのフロントサスにもトーション使われてました。チェーンテンショナーも何か変ですね。

  • #7

    まつ (土曜日, 22 12月 2012 22:21)

    姫路の松居さん
    高知の方、ぜひ聞いてみてください。このカムチェーン、ジョイントのところから外れてエンジンが壊れてしまうというトラブルがあるみたいです。できればいじりたくないところですね。

  • #8

    まつ (土曜日, 22 12月 2012 22:22)

    えび殿
    最初のDOHC車だから、いろいろ試したんでしょうかね?