ACジェネレーターの配線改造
お恥ずかしながら、フライホイールプラーを使うのは今日が初めて。ストレートで購入したもの。
なかなか外れなかったが、鉄パイプをひっかけてエイヤッと力を入れたら、”バキっ”という音とともにフライホイールが外れました。
おっかなびっくりでしたが、意外と簡単な作業なんやな~と。
お出ましになりました。KH90の電装の心臓部。
向かって左が、マグネトーコイル。右がヘッドライトへの給電用。下がその他の給電。
ヘッドライト用は、交流のまましかも制圧されずに負荷に電源供給するため、発生電圧は低く、電流値を大きくするよう巻線には太いものが使われている。巻き数を稼いで電圧を得る必要はなく、かつ抵抗値を下げるため。
一方、レクチファイヤ経由でヘッドライト以外の電装に電源を供給するコイルは向かって下のコイルで、電圧を稼ぐために巻線を多くとっている。そのため電線も細い。
いずれのコイルも、マイナス側は接地されている。
さて、それぞれのコイルが120度ずれて配置されているということは・・・
フライホイールの内側に取り付けられているのは永久磁石。
これが6個ついている。つまり、磁極が60度毎に変化するということ。ここからわかることは、120度の位相をもって配置されているコイルに対する磁界の変化は全く等しいということと、クランク1回転で各コイルには6回の正弦波状の電圧が発生するということ。
後者は整流後にできる限り平滑な直流を得るために有効だ。
今回の作業の目的は、ジェネレーターのコイル巻替えをすることなしに12V化を実現すること。そのためには、原状では回路上並列に配置されている電源用コイルの二つの接地を外し、直列につないで大地から浮かせることで起電力を向上させたい。
よって、二つのコイルの起電力が相乗するような直列回路を作る必要がある。
120度位相がずれた二つのコイルが発生する電圧は、磁極の変化が同一なことから、全く同じ変化をたどる。ということは、片方のコイルのマイナス側をもう一方のプラス側とつなぎこみ、後者のコイルのマイナス側を大地から浮かせてジェネレーターの出力として取り出すことになる。
コイルベースの裏側。
あら、配線図と違うんですけど。
配線図では黄線(夜間位置のヘッドライト)コイルの途中から空色(昼間位置の電源)が取り出されているのだが、実際には黄線コイルからの分岐はなく、桃線コイルから空色が取り出されている。
あら?
ということは、黄線コイルは純粋に夜間のヘッドライトのためのものとなる。カワサキのKH90取扱説明書の配線図、間違っているよ~。あるいは、私のKH90の配線が過去のオーナーによって改造されたのか・・・?
今日は、時間切れ。
家族が帰ってきましたので、作業は打ち切りです。KH90はこのまま保管となります。
来週、次の作業ができるかな?
予定としては、結線変更と、レギュレートレクチファイヤの取付けだ。
てなこと言いながら、実は今日は失敗してましたよ~。
上の写真は、二つのコイルのマイナス側をアースから浮かして結線した状態。つまり、黄線コイルと桃線コイルのマイナス側をつないだということ。
これで回路上は二つのコイルを直列につないだことになるのだが・・・・
コイルの巻き方向を考えずに、短絡的でした。
二つのコイルへの磁場の変化は同一であるから、これらのコイルが発生させる起電力も全く同位相。これは前述の通り。
コイルの巻き方向が逆であれば、このつなぎ方でよいのだが、はんだ付けを終えたあと、冷静にこれらのことを考えてみると・・・
コイル、巻き方向全く同じです。ということは、オリジナルのマイナス同志を結線したら、折角発生した電圧をお互いに打ち消しあうことになるのでは・・・。
これらのコイルの起電力の差が発生電圧として黄線と桃線の間に現れるはずだ。これも実験の一つかな。折角つないだので、とりあえずこれで組んでみようかしら。
松居さんのコメントにお答えすべく、ちょっと回路のお勉強を。
これは90SSの配線図。
見にくいが、ジェネレーターは黄色コイルと青色コイルが二つ。
そしてそれぞれのマイナス側に共用コイルが設けられていますね。
一方こちらはKH90の配線図。
桃色コイルは夜間のDC電源。黄色コイルは夜間のヘッドライト(AC)電源。空色コイルは昼間のDC電源。とそれぞれ読み取れる。また空色線は黄色コイルの途中から分岐されています。
90SSとは見た目のコイルは同じですが、配線は異なっているんです。
しか~し、実際には・・・
これは黄色コイルです。黄色線以外は出ていません。マイナスはニクロム線のままビス止めで接地されていました。
配線図では、このコイルの途中から空色線が分岐しているはずなんですが、みあたりません。
こちらは桃色コイル。
黒い保護被覆でおおわれていますが、右端から出ているのは桃色線で、綿棒のところが空色線です。マイナスは、黄色コイルと同様ニクロム線のままビスで接地されていました。
このことから、やはり配線とは異なるのではないかと思うのです。
実際に、エンジン回転時の発生電圧を測定したら、以下のようになってましたし。あ、これ回転数は適当なので1200rpmのときの空色は桃色より発生電圧が大きくなってますが、測定間違いかな。
配線 | 用途 | メイン | 1200rpm | 2500rpm |
空色 | 昼間DC | 昼間 | 14.5V | 14.7V |
桃色 | 夜間DC | 夜間 | 12.7V | 15.1V |
黄色 | 夜間AC | 夜間 | 5.4V | 8.0V |
黄色コイルの途中から空色が分岐していたら、さすがにこのような発生電圧はあり得ないだろう。だから、配線図から考えてみてもおかしいなあと思っていたのです。
どうでしょうか・・・?
っていうか、良く考えたら、この桃色コイル。既に巻き数増やされているんじゃないの?コイルよくみたら、なんか手巻きしたような感じが。IGコイルと比較してなんか不細工ですもんね。
このKH90。ヘッドライトはHiとLoしか回路上はないのですが、実際には、Lo時にはホーロー抵抗を経由させてPOとして使うような改造がなされています。
実は、これまでのオーナーがいろいろと電装に手を加えている形跡があります。レクチファイヤは一般のダイオード素子がそのまま使われていたり、ヒューズがついていなかったり。
今日、お昼休みに少し考えていたんですが、黄色と桃色の二つのコイルを直列につなぐのはあまり良くないかな。
発生電圧は大きくなるけど、ヘッドライトを使うと、桃色コイルの細いニクロム線にもそれなりの電流が流れるということになるわけですね~。そのあたり、もう少し思案してから作業に入った方がよかったかな。
正攻法としては、DC電源用の桃色コイルのアースを浮かして全波整流、AC電源用の黄色コイルは巻き数を増やしてアースはオリジナルに戻す、かな。
今回の作業と同様の作業事例がWEBでもいろいろ載っていたのですが、もうすこし勉強してみましょう。
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#1
完全にコイル回り改造して有りますね、そうなると難しいですね
いくらカワサキでもニクロム線を直接アースはしないでしょう
コイルは直列に繋いでACの30Vぐらい出るようにしないと12V化は厳しいと思いますよ
ACをDCにする時に電圧は半分に成ると思うんですが?違ってたらごめんなさいね
全波整流でも電流値は稼げますが電圧は変わらないと思うんですが...
以前ヤマハ6V車で12Vにしようとして、挫折したこと有ります
その時も15Vぐらいしか出て無いので、試行錯誤の結果コイルを交換しました
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#2
姫路の松居さん
ありがとうございます。
コイルのアースはニクロム線が端子にハンダ付けされてアースされていました。説明が不足していました。多分これ自体はオリジナルの姿かと思います。
AC30Vですか。DC12Vと同じ仕事をするACは、全波整流の場合、理屈上はそのルート2倍のピーク値を持てば良いとおもっていたのですけども・・・。
松居さんの経験値の理屈に興味あります!
ヤマハ車で15Vというのは、ACで15V出ていても全波整流したらダメだったということでしょうか?
すいません、経験談を詳しく教えてください!
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#3
なんせ理論の裏打ち無いですから、難しいこと解んないですよ
私はネットでいろいろ調べてACで30Vぐらい無いと厳しいとの結論に成りました
いろんなレギュレター繋いで電圧確認してましたが
私がやった時はまだ半波整流がメインでしたので違ってるかもしれませんね
でもバッテリー充電するのに14Vぐらいは必要なので
それの掛けるルート2(これでいいのかな)すると20Vぐらいに成るはず
これがピーク電圧だとすると、通常走行ではもっと低くなりますよ
やっぱり30Vぐらい必要ですよ、変換ロスもあるしね
でも2500回転で15V出てるなら5000回転も回せばかなり出てませんか?
AC30Vは5000回転ぐらいでのことですよ、確か定格はそこらだったような?
それに6Vの方が大電流流れますので12Vの方がコイルに優しいのでは...
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#4
松居さん たびたび、ありがとうございます。
5000回転でピーク値AC30Vですね!
確かに5000回転まで計測していたら、出ていたかもしれません。
でも私のKH90、バッテリーは6Vが入っていました。なんかチグハグかも。ウィンカーリレーも6V。ようわかりませんね。
電流値は抑えられるし、直列接続で一度トライしてみよう。ですが・・・ちょっとトラブルが。
週末に、レポートします!
いつもありがとうございます。
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姫路の松居 (月曜日, 04 6月 2012 16:24)
配線図はあってると思いますよ、現物見てないので不確かですが
たぶんライトコイルとチャージコイルが別ですね、それにベースのコイルが繋がってるのかと
ひとつのコイルが共用コイルでもうひとつのコイルが有ると
考えると配線図は合ってますね、ちょっと変則的ですが
コイルのつながり方確認してください、普通共用コイルはコイルの途中で分岐してますが
そのコイルはどうなってます?共用コイルの片方がアースに落ちてましたか?
隣のコイルとつながっていてのでは?共用コイルの片方がアースに落ちてたとすると
もうひとつのコイルがどこにもつながらないんです
90SSの回路図見ると繋がり方はアースを浮かすと三相交流見たいですがか
コイル同士のバランスが悪いので多分難しいかも?
多分考え方は昼間は負荷の軽いコイルを使って元気よく
夜はあまり走らないのを前提にがんばらないと充電出来ないぐらいの負荷をかけてるのかな
どの道ACで30Vぐらい出ないと12V化は難しいですね
まつ (月曜日, 04 6月 2012 22:46)
姫路の松居さん
アドバイスありがとうございます。
ちょっと、90SSの回路図を調べてみました。やはりKH90とは異なるようです。下に少し解説を加えてみました。
結局、私のKH90は過去電装にいろいろ手を加えれられたと推定するに至っておりますが・・・どうなんでしょうかね。